2012年1月14日土曜日

秋季講座「人類哲学序説」の講座を終えて

大変な反響をいただき昨年12月に終了した梅原猛先生の「人類哲学序説」講座。
講座を終え、ナビゲーターをつとめられた梅原賢一郎先生より、メッセージをいただきました。
また、受講生の皆様から、受講を終えて様々な感想をアンケートでお寄せいただきました。
今まで受講をされた皆様の声をお伝えする機会がありませんでしたので、今回ご紹介させていただきます。


左より:松井利夫先生  梅原猛先生  梅原賢一郎先生
                            (Photo/Masahito Koshinaka)



―「人類哲学序説」を終えて―

 八十六歳の老翁は語った。京都から東京に乗り込んで語った。隔週五回も。二時間ぶっ続けで語った。それは、一つの事件だったかもしれない。
 どんな時代が来るか、だれも見当さえつかない。このようなときには、もっともらしい言葉にこそもっとも注意しなければならないのかもしれない。その点で、哲学者の言葉は、幸にも不幸にも、徹頭徹尾、もっともらしくなかった。一見穏やかそうな面立ちで隠され、含羞がその角を丸くすることはあっても、老翁の言葉には、終始、毒がふくまれていた。聴講するわれわれに、おっかなびっくり、見えない刃を突きつけていた。
 われわれは老翁にどう答えればいいのであろうか。神宮外苑には、なにかが駈けぬけたあとの砂埃が舞っているようだ。
                            (梅原賢一郎)




―受講生の皆様から 受講を終えて学んだこと、感じたこと―

86歳梅原猛先生のあくなき探究心へ脱帽
・難しい哲学の講座と思っていましたが、梅原先生86歳にして、これからご本を出されること、学びの深さを学び、私も勇気づけられました。
・素晴らしかった。アーノルド・トインビーの問いかけによって、老齢を顧みず、この半年間懸命に考察したとは、只、その使命感に脱帽しました。
・この講義のために86歳になってなお、半年間猛勉強して準備された由、頭が下がる学問に対する厳しい姿勢が講義内容もさることながら、もっとも学んだ点である。

②哲学についての知識の深まり
・ニーチェはとっつきにくく、敬遠していたが、今回の講義で概要が理解できた。シュタイナーの人智学との対比で今後も考えていこうと思う。
・久しぶりに西洋哲学について本を読み考えた。
・先生の問題提示を通して、もう一度考察すべき点が出てきてよかった。

③新しい思想に触れ、今後の人生に役立てたい。
・今更ですが、これからの人生を考えるのに役立った。
・自分の日々の生活の中で、このような思想を生かしていきたい。まずは「食べること」や「子育て」からやってみたい。
・人生で初めて哲学というものにきちんと触れました。しかも梅原先生という偉大な哲学者の講義といういきなりハイレベルな形で。日々の中に組み込まれていくというものではない気がしますが、人生の節目にふと思い出しかみ締めていくだろうと思います。
・考えていく方向を見出せた。
・特に「山川草木悉皆成仏」の思想の古代日本からの歴史的位置付けが興味深
 かった。
・ビジネス世界でも大学時代でも接したことのない世界を思ったので充実した時
 間であった。
・自ら考え、信念に基づいて生きることを改めて考えさせて頂いたお話しでした。

④国内外で不安な時代のなかで、希望をもつことができる思想を感じた。
3.11後の社会のあり方の指針となる。
・梅原先生の講義内容は、東日本大震災、福島の原発事故のみならずEUの混迷など、人類の危機に対処する哲学となりえると思われた。
・不安な国内外の様子は好転する様子も見えません。新しい希望の方向が見える気がします。




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